富山県・立山町の日本一の高さを誇る黒部ダムは、プライベートツアーがおすすめ!

日本最大級のダムが気になる、ということで、
富山県と長野県の境にある黒部ダムに行ってきました!

せっかくならしっかりと観光がしたい!  と思い、プライベートツアーに参加。
日本一の高さのダムに圧倒されながらも、そのまわりにある大自然にも感動!

ダムの意味についても考えさせられる社会科見学となりました。

以下その全貌を写真でご紹介します。

富山県・立山町の日本一の高さを誇る黒部ダム、プライベートツアーに行ってきました!

どこにあるの? どうやって行くの?

黒部ダムは、富山県と長野県の県境にあります。軽井沢からは車で2時間15分ほど。
上信越自動車道を利用して向かいます。

黒部ダムの最寄り駅は「黒部ダム駅」なのですが、
そこには自家用車で向かうことができません。
まずは扇沢駅に向かい、
そこから「トロリーバス」と呼ばれる電気バスに乗って、
黒部ダム駅に向かいます。

一方、富山県側からも行くことができます。
富山からはアルペンルートならではの立山ロープウェイが楽しめます。

そもそもダムって?

たくさんの水を蓄える場所ということは知っていますが、
そもそもダムは何のための施設なのか。

ダムの目的のひとつは治水(ちすい)です。
治水とは、大雨の際に川が氾濫しないように川の水量を調整すること。
堤防や放水路、遊水池などもその手段です。

もうひとつの目的は利水(りすい)。
田んぼや畑などに水を送ったり、生活用水に使われたりもします。

水が極度に多く流れてしまう場合にその量を調整したり、
反対に水が足りなくなった時にその水源として
活躍してくれる存在でもあります。

さっそく行ってっみよう!

まずは扇沢駅まで車で向かいます。

駐車場は有料と無料のものがあり、いずれもとっても広いです。

有料の駐車場のほうが駅まで近いのですが、
無料の駐車場からでも歩いて2〜3分なので
空いている時は無料の方に停めるとよいです。

黒部ダムは、自然豊かな中部山岳国立公園の中にあります。

見渡す限り山、そして広い空!

さっそく駅に向かいます。
今回はJTBの黒部ダムプライベートツアーに申し込みをしました。
JTBツアー黒部ダムPDF:https://ebook.jtb.co.jp/book/?13112GF#9

ツアーの1週間前くらい前、ツアーガイドさんから携帯にメッセージが来ました。
当日はどんな気候になりそうか、
扇沢駅からのバスに乗るには何時に駅につくとよいのか、
帰りの時間の確認など、細かく相談に乗ってくださいました。

この日は黒部ダム駅での待ち合わせ。
バスの出発まで少し時間があったので、
扇沢駅のレストハウスでランチをいただきました。

地域ならではの天然水サイダーも気になる…。

まずは腹ごしらえ。
レストハウスに入ります。

広い。そして明るい!

窓からは大自然が見えて本当に気持ちの良い場所です。

いろんなメニューがありますが
有名なのは黒部ダムのアーチ形を模したダムカレー。
今日はちょっとお腹が埋まっていたので、
そのミニカレーを注文することに。

ミニカレーと言ってもまあまあなボリュームがあります。
ポテトフライも一緒に。

夫はラーメンを頼みました。
期待とおり、美味しい!

感染症対策なのかな? と思いつつも、
この向きでいただく食事はきっと美味しさもすごいだろうと思えてしまう席。

最近気になる「一眼レフの正方形フォーマット」で撮影してみました。

カレーライスも撮っておきました。

窓の外はこんな景色。

この日はとーっても空いていました。

たっぷり食べたらいよいよ向かいます。
バスのりば。

階段を登って、

さらに登っていくと、

バスのホーム! だけど地上みたい。

地上から階段を登ってレストハウスに行ったのに、
更にそこから階段をのぼったところにバスのりばがある不思議。

扇沢駅からは、このバスに乗って
関電トンネルを通って黒部ダム駅に行きます。

このバスは、エコな電気で走るトロリーバス。
トロリーバスは現在、関電トンネルと立山トンネルでしか
運行されていない日本唯一の存在だそうです。

トンネル内はちょっと狭いところがあって、
バス同士がクラクションを鳴らしながら、
片側通行のようにすれ違います。

黒部ダム駅に到着!

ダムの観光だけではなくて登山の入り口としても使われている黒部ダム駅。
登山者たちもバスに乗っていました。

ガイドさんとご対面。
左奥にいるパネルを持った方が今回のガイドさんでした。

プライベートツアーでは、関電トンネル内にある、
開通当時そのままのトンネルの姿が残っている場所に案内されます。
ここは一般の人が入ることのできない場所。
ここで、黒部ダム建設から竣工までのドラマチックな映像を見せてもらいます。

工事に携わった人たちが掘っていたそのままの壁が残っています。

壁にドリルで穴を開けて
その中にダイナマイトを仕込んでちょっとずつ崩していくのですが、
あまりの硬さにドリルが抜けなくなり
そのまま残っているところもありました。

ちなみに、外は暑さが厳しくなり始めている季節だというのに、
この場所は年間通して10度程度の気温が保たれているそう。
20分もの映像を見ているとさすがに体が冷えました…。

映像を見た後はいよいよ黒部ダムに向かいます!

途中湧き水が湧いている所がありました。
以前は飲むことができたようです
(今は感染症対策で飲むことができなくなっています)。

出ました、外!
黒部ダム全体を見渡せる展望スペースです。

黒部ダムのアーチ部分(えん堤)がとてもよく見えます。
左側には黒部湖。

この湖を30分かけて1周する、黒部湖遊覧船「ガルベ」も出ています。
日本で最も高所を運航する遊覧船だそう!
水の色もブルーできれい。

こちらも正方形で。

いつできたの? 何が大変だったの?

「日本最大級のダム」として知られ、
1年間に約100万人もの人々が訪れる観光地としても有名な黒部ダム。
標高1470 mにあり、全長492m、高さなんと186mと日本一、
世界でも最高クラスのダムです。

このダムは、黒部川水力電源開発として
大正時代に始まったプロジェクトで、実は関西電力の持ち物です。

降水量も多く急な河川があるこの場所は水力発電に適していましたが、
厳しい自然条件が揃っていてさすがに難しいと言われていたそうです。
けれど関西電力は、そんな難しさをものとも言わず、
7年もの歳月をかけて完成させました!

総工費513億円。
1000万人の人出そして171人の尊い犠牲もあったそうです。
完成後は年間10億kwhの電力が作られ、
関西エリアに供給されています。
これは30万戸が1年間で使う電気の量に匹敵します。

アーチ型が特徴な黒部ダムですが、
両端にちょこっと飛び出た羽のような場所があります。
これを「ウイング」と言いますが、
実はこれが黒部ダムの強さを保ってくれている1つ存在です。

世界銀行からも貸出を受けて完成させた黒部ダム

黒部ダムは世界銀行からも貸し出しを受けていますが
その額は総工費513億円の1/4を占めます。

世界銀行は資金源となる技術援助を行う機関としての役割があり、
黒部ダムへの貸し出しもその一つでした。

1960年、世界銀行の技術専門家が黒部ダムを視察に来ました。

このとき、186mのえん堤を見た視察団は、
少し前に起きたフランスのアーチ型ダムの崩壊事故の事例を鑑み、
黒部ダムに対し186mの高さを150mにするように勧告しました。

けれど関西電力は、地質の盤石性を証明するために
フランスから地質テストのプレートジャッキを空輸したり、
ダムえん堤の両端にウイングを付けて力を逃がす仕組みを考えたりと
様々な試行錯誤と協議を2年間重ね、
協議して最終的に当初の計画通りのダムを完成させました。

プライベートツアーでは、
こんなお話をガイドさんから教えてもらいながらまわります。
背景を知ってからみるえん堤は、ものすごい迫力。
そして影にあるたくさんの人たちのものすごい努力を感じます。

このえん堤のコンクリートは、
このコンクリートバケットに入れて運ばれました。

ものすごい重さになるこのバケットを
ワイヤーで吊るして一つずつ運んでいったことを考えると、
本当に大変な作業だったことが想像できます。

どれほどの仕事量でここまで仕上げていったのか、
1つ1つのお話がとても心に届きました。

よく見るとほんの少し、手前に傾いている作りです。

緻密な計算と技術で作られているダムのすごさはもちろん、
どこか美しさも感じてくるから不思議です。

黒部ダムには
建設途中の状況を展示しているスペースがあります。

採掘のお話は、
石原裕次郎さんが出演された「黒部の太陽」という映画にもなりました。
ちょっとズシンとくる空気の映画かな? 
とも思うのですが、まだ観たことがないので、
この機に見てみたいなと思います。

いよいよえん堤に!

長い! 広い! 

誰もいないえん堤は
逆にドキドキするのですが、とってもきもちーーーー!

186mはなかなかの高さで、覗き込むだけでヒヤリとします。

だけどやっぱり景色がいい。

秋にはとても美しい紅葉が見れるそうです。

タイミングが良ければここから出る観光放水が見もの!

今回はまだそのタイミングより少し早かったのですが、
景観維持を目的に毎年決まった時期に
毎秒10トン以上の放水が行われます。

その際虹も出てとても美しい景色になります。
観光放水は、6月26日〜10月15日だそうです。

きっと圧巻の様子だと思うので、また秋口に足を運びたいな。
そして今度は、アルペンルート側に。
立山ロープウェイに乗って山の方へ行ってみたいです。
ということで、帰りもトロリーバスに乗って扇沢行きに戻ります。

ただいま!

扇沢駅は、よく見るとレトロな情景が所々にあります。

バスを待っているオジ様もなんかステキ。

観光地は、その場所そのものの魅力で楽しむことができるものですが、
なぜそれができたのか、どんな人たちが関わっていたのかなど、
その場所の背景を知るともっともっと面白く観光できますね。

プライベートガイドさんによるツアーは、
学びと奥行きのある感動を与えてくれる素晴らしいものでした。

これらも活用したいと思います!

ということでダム情報です。

扇沢駅(おうぎざわえき)※黒部ダム駅までのバスのりばがある駅
住所:長野県大町市平2117
問い合わせ:くろよん総合予約センター 0261-22-0804
Webサイト:https://www.kurobe-dam.com/

本日の写真は、CANON EOS RPとRF35mm F1.8 STMでお届けしました。

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