生きものとして、美しく生きたい

朝食の会場はホテルのロビー階にあった。
時刻は7時。季節は秋が終わろうとしている10月に入った頃で、
すでに真冬のコートを着たほうがいいほどの寒さだというのに、
窓の外には散歩を楽しむ人が多くいる。
いったい何時に起きたのだろう。
北欧の朝はとても早い。
これは私の感覚で、
夜の街というより、朝の街という印象が強いというほうが的確かもしれない。
太陽が昇り、部屋を照らし始めると、
暗闇がじんわりと色を帯びて、目が慣れてきたような明るさが生まれる。
朝陽を浴びると、16時間後には眠くなるようにできている体内時計。
ここにいると、環境に身を委ね、時計なんて気にしない自然なままに生きたくなる。
生きものとして自然に生きることは
なによりも美しいことなんだろうと、思えてならない。

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