旅路やその先のトキを思うこと

11月。
叔父の葬儀で北海道へ行くことになった。
今回はとても涙もろい旅になるかもしれない。
飛行機に乗り込みしばらくすると
飛行機は滑走路に向かって動き出す。
出発か……。
そう思って窓の外を見ると、
飛行機に荷物を乗せてくださった方や整備士たちが、
こちらに向かって手を振っている姿が見えた。
乗客の顔はいったいどれほど見えているんだろう。
もしかしたら私が思う以上に見えているのかもしれない。
そう思いながらも私は手を振り返すことができず、
そんな自分がちょっともどかしくもなった。
だけれど気分はとてもよい。
見えないところで、とてつもない配慮をしてくださっている
皆さんの気持ちが見えたようだった。

この後、飛行機が背を向け始めると、
彼らは深くお辞儀をした。
暖かくなる心と、
熱くなる目頭の感覚から始まる旅が、
ステキなものにならないわけがない。
「飛行機に乗る人々の旅路や移動の先に、どうかステキなことが訪れますように」
きっとそう願ってくださっている皆さんにこそ、
ステキな時間や瞬間が訪れますようにと願ってしまう。
今回はとても涙もろい旅になるかもしれない。
そう思った瞬間だった。

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